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子供が起こす殺人事件について

 ニュースを取り上げたバラエティ番組を見ていると、小学生が起こした殺人事件にふれていました。
 その番組でバラエティによく登場する弁護士が次のような主旨のコメントをしていました。「小さいときは転んでケガをしないように大事にされて痛み自体を体験しないで成長する。小学生になっても体罰などが禁止されるなどで、痛みがわからない子供が増えている。そんな子供に大きくなってから命を大切にということを教えても分かるはずがない。小さい頃から痛み、命の大切さを知らないまま成長するということは野生動物といっしょだ。だからすぐに殺してしまうような事件が多いのではないか」

 しかし、私は「動物は殺し合う」というところに引っかかりました。一理あるがちょっと違うような気がします。
 たしかに野生動物は縄張りや雌の奪い合いなどで争います。しかし、野生動物は同種の殺し合いは基本的にしません。縄張り争い等でも殺し合いになる直前でやめるすべを知っています。これはおそらく弁護士が言っていたように、痛みを知っているからだと思います。動物も子供の頃から兄弟との喧嘩や遊びから”痛み”を知り、加減も学んでいると思います。現在の人間の子供達にしてもこのような体験が減っているのも事実ではないでしょうか。実際には野生動物の子供が生活から自然と学ぶことを人間の子供は学べなくなっているのだと思います。

 一方、動物が同種で殺し合うのは、狭い場所に押し込められた場合です。一定の距離を保てないと殺し合いが起こる場合があります。ストレスなのか、喧嘩しても逃れる場所がないのか。
 そう考えると、現在の子供達はそれほど狭い場所に追い込まれているのかもしれません。塾や習い事など、親の過度の期待やプレッシャー。知識の詰め込みのような教育が早くから行われ、子供の心には逃げ場が無くなっている(知らない?)のではないでしょうか。

 さらに、知識の教育が重視され、スキンシップや”痛み”のような生活の自然と体験した感覚による学びが軽視されて、心の成長が未熟なまま成長する子供が多いのではないでしょうか。(たとえば、痛みや動物を飼うことによる心の葛藤や死の体験。塾や学校以外の世界の体験など。)

 そのため、相手の気持ちを想像できる心が育たないままの子供が増えているのではないでしょうか。すべての子供がそうだとは思いませんが、大なり小なりあるのではないか。

 希薄な人間関係しか結べずちょっとしたことで亀裂が入り、それを修復する力も、相手を許す心をもてない子供が増えており、大人が「なぜその程度のことで」と思うような事で殺人という過ちを簡単に起こしてしまうのではないか。”痛み”を体験してこなかった子供が相手の痛みを感じられないというのも大きな要因があるでしょう。そう考えないと、私には最近の子供による短絡的な殺人事件を理解することはできません。

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