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地上の空

 田植えの季節となり、水田には水が張られ、蛙の声が聞こえる季節となりました。とはいえ、都市部での生活になってしまった今では、蛙の声からは少し遠のきさみしくなってしまいました。蛙の歓喜の大合唱が聞こえませんから。

 田植えがすむと田んぼの光景が一変します。地上にも空があるかのようです。学生時代、滋賀にある学校に通っていました。ゴールデンウィークが空けたころ、通学のため乗っていた電車が水田地帯にさしかかると、休み前とは違う光景が広がっていました。広々とした水田には水が張られ、まるで湖のようです。鏡のような水面には空が映っているのです。上空の空と地上の空。空を飛ぶ電車に乗っているような空想をしていました。また、地面にぽっかりと穴があいて地球の反対側の空が見えているような空想もしました。

 満月の夜はなおさらです。犬を連れて散歩するとさらに幻想的な光景に出会います。月の冷たい光がぼんやりと周辺を浮かび上がらせているだけでも幻想的なのに、水田の中にのびる土手を歩くと、地上にも月があるのです。ここでも自分がまるで宇宙の間に浮かぶ、薄っぺらい世界を歩いているような錯覚にとらわれます。(実際にはそうなのかもしれませんが)

 このような光景は、田植え時期の一瞬だけのものです。水田に稲が植えられ生長するにつれて「地上の空」にも幕が引かれます。

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 こんな光景を楽しんでいるのは自分だけかなと思っていたら、やはりそうではないようですね。
  
  フィールドノート「満月
  つれづれ雑記「心ふるえる 田んぼの空

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コメント

何てすてきな空想!でも本当に地球の違う場所でもこんな空が広がっているのかもしれない。遠い世界に思いを馳せることができる扉なんですねー。

投稿: パンダ | 2006/05/22 22:43

幸雲様 私も月が大好きです。
夜に犬のお散歩に出掛けるのですが、
最近はお天気が悪くて綺麗な月に出会う日が少なくてすごく残念です。
それに家の近所の水田は休耕田が増えて・・・。

幻想的な風景に出会える幸雲様が羨ましいです。

投稿: こまち | 2006/05/23 20:13

水田の水面に映える月の姿。
にっぽんの心ですね~

投稿: ばんみ | 2006/05/23 23:24

水田に映る空は本当に不思議な光景です。狭い田んぼでもそうなんですが、水田地帯だと広い空が地上にあるのです。水田は自然のダムと言いますが、それを実感します。浅い湖か沼が一面に拡がっているのですから。

いつまでもこの景色が見られることを祈るばかりです。安いからと外国の物ばかり買っていると、この景色も見ることが出来なくなりますから。

パンダさんのブログには素敵な”地上の空”の写真が掲載されているので是非ご覧下さいね。

投稿: 幸雲 | 2006/05/24 21:35

ばんみさん。素敵な写真のトラックバックありがとう。ばんみさんの写真も素敵な「地上の空」ですね。「地上の空」を愛している人は是非ともご覧下さい。パンダさんの昼間の光景に対して夕景です。蛙の鳴き声に混じったカラスの鳴き声も聞こえてきそうな光景です。

投稿: 幸雲 | 2006/05/25 23:11

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受信: 2006/05/25 22:53

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