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「黒田正玄家の竹工芸」展レポート

 「黒田正玄家の竹芸-茶の湯工芸の伝統と創造-」展に行ってきました。思い立ったら行ってしまえと、出かけました。

 表千家北山会館ということで、茶道関係の方が行かれる展覧会で、私のような心得のない者には敷居が高いかと思いながら遠慮がちに会場に行きました。

 パンフレットによると黒田家とは、千家十職のなかで竹工芸の茶道具を担当しており、初代は武士で関ヶ原の合戦で破れ浪人となり近江国大津に住んで竹細工を生業としたとのこと。修業をつみ、徳川将軍家御用柄杓師となりました。三代正玄の時代に表千家との関係ができ、柄杓の他にも様々な竹の茶道具を制作するようになり現在は十三代とのことです。

 茶道具には、花入れ、香合、茶杓、棗、水指、棚、菓子器、屏風、建水、など様々なものがあります。それが何に使うかというのは、知識が乏しいので、ここでは解説を遠慮します。

 自然の竹の風合いを生かした物から、漆を施したもの木材と竹を組み合わせた物などの加工が施されていました。私が作っている籠とは違った竹細工です。竹が筒であることを利用して器を作ったり、蓋にするのに、節の部分を使ったり、根の部分をうまく使ったりという細工の仕方がとても面白く、中には、蛤のような貝の形のものもありました。

 私が特に面白いというか勉強になったと思うのは、この特別展のために作成されたというビデオです。「究極の竹をもとめて」と題したビデオは、竹選びから油抜き、そして加工するまでの材料を作っている行程を紹介しています。(以下、出てくる数字はうろ覚えです。)

 とても勉強になりました。10月までに竹林で形、節の長さなどを見て切る竹を選び印を付け、竹の中の水分が低下する11月頃に伐採。持ち帰る時にも藁でくくったり引いたりして保護して運びだします。そして1月までの間、立てかけて水分を抜くのです。このとき、竹は天地逆さまに立てるそうです。これは、竹の中では水分が上に流れ易いという性質を利用して効率的に水を抜くためらしいです。

 そのあと、寸法を合わせて切ったのち油抜きです。炭を使うとのこと、色々な炭を組み合わせて並べ、火が行き渡ったら砂をかけて温度を調整し、じっくりと炙って油を抜くとのこと。そのあと、日中に天日に干すという作業が続きます。その後保管し、定期的に状況を確認して割れていたり、カビや虫食いの物を除き、4、5年ほど寝かせるとのこと。それだけおいても割れたりひずんだりしない竹を使って作品を作るとのこと。そうすれば何年も使い続けることができる素材であるということです。さすがに千家に道具を納めておられるだけあります。こだわりと誇りを感じます。特にヒゴを作って編むのではなく、竹を竹の形で細工するため、素材へのこだわりは籠よりも大きいのかもしれません。

展示解説冊子も対談の記事や講演会の資料なども掲載されており、読み応えのあるものでした。

 さて、おまけ話。
呈茶券がついていました。お茶は好きなので喜んでいたのですが、よくよく考えるとここは表千家の会館。ソファーでということでしたがなんか作法とか知らなかったら恥ずかしいのではないかと不安がよぎりました。お菓子を盛ったお盆と懐紙を前に置かれましたが、どうやったらいいのか、全部食べなければいけないのではないかなどと焦ってしまいました。冷や汗をかきました(^^;)。


関連リンク

レポートが掲載されていたブログを紹介します。

千家十職・黒田正玄家の竹工芸展(おかねの情報室)

不思議な形の亀甲竹(おかねの情報室)

黒田家伝来・古式の柄杓(おかねの情報室)


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