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火を使わない油抜き

竹を火であぶる油抜きの方法をこれまでやってきましたが、もっと簡単にできる方法がありました。

多くの竹に関する書籍やインターネットでも、油抜きの方法は火であぶる乾式と苛性ソーダで煮る湿式の2つの方法しか紹介されていませんでした。
しかし、これらは火事の危険や薬品の処理の危険性などの不安がつきまとうものです。また、手軽にできるというものでもありません。

もっと安全な方法はないかと思っていたところ、実はあったのです。

「やさしく編む 竹細工入門」稲垣尚友著 日貿出版社

稻垣 尚友: 竹細工入門―やさしく編む

この本の中に、実に簡単な方法が載っていました。都会では手に入りにくいかもしれませんが、田舎では身近にある物を使えば、それを竹にこすりつけ拭き取るだけで完了です。素手でさわっても大丈夫なものを使います。

P100411
実際、私はこの記事を読んだとき、疑っていました。ところが試してみて驚きました。本当に油抜きができるのです。(写真参照:左:金だわしで洗ったのち処理を処理をした竹。右:金たわしで洗っただけの竹)

その方法とは・・・。

これは著者に敬意を払ってここには書きません。是非、本をご覧ください。
価値ある情報は簡単に手に入れるべきではないのです。


追記:2012/02/26
この記事の閲覧回数が増えていますので参考に関連記事を追記します。

油抜き関連の記事

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コメント

こんばんは~
乾式で油抜きされた竹は籠編みには向かないと聞きました。
実際に竹屋さんで乾式の竹をもらって編んでみたところ弾力性に欠け編んでる間にポキポキと折れてしまうことが多かったです。
かといって湿式を素人がするには大変だし・・・
いっそのこと、青竹のままひごにしてから苛性ソーダ液に漬けてみては?などと思っていました。
幸雲さんの記事を読んですぐこの書籍を注文してしまいました。(笑)
どんな方法が書いてあるのか楽しみにしています。
この本を紹介してくれてありがとうございました。

投稿: おしめ | 2010/04/17 23:42

おしめさん。コメントありがとうございます。試してみて本当に驚きました。私はいつも乾式の油抜きをしていました。なかなか大変で、たくさんの竹の処理をするのが面倒でした。この方法はそれなりに大変ですが、乾式でするよりも断然簡単。ただ、ムラができやすいので処理するときには十分注意した方がいいかもしれません。

他にも花咲JJさんが苛性ソーダの代用品を使った湿式に挑戦されていましたので紹介します。
http://missing.way-nifty.com/stage/2007/10/post_593b.html

乾式の竹で籠をつくる場合、強く火に当てた物は確かに弾力に問題があるよう思います。でも、適度に当てていたらそんなに折れるような事はありませんでした。個人的には乾式の竹の風合いが好きです。

投稿: 幸雲 | 2010/04/18 23:59

私も「やさしく編む竹細工入門」を読みました。
ホントかなと思っていましたが油が抜けるのですネ。
この方法を実施しようと思っています。
竹は切り出して直ぐか多少乾燥させた方が良いか教えて下さい。

投稿: 真野 | 2011/11/30 19:07

真野さん。コメントありがとうございます。

私はプロではないので、参考程度に聴いて頂ければと思います。
あちこちで聴いたり読んだりした情報によると、切り出した後少し乾燥させるようです。方法としては、竹の水分は先端へ先端へと移動するように成っているらしく、切り出した後先端を下にしておくと良いようです。その状態で1ヶ月ぐらい乾燥させたのちに油抜きをします。
火であぶって行う油抜きの場合も乾燥させたほうがうまくいくように思います。
油抜きを行った後は日光にあててしっかりと乾燥させると竹の色が白っぽくなっていきます。

投稿: 幸雲 | 2011/11/30 22:51

早速回答頂き有難うございます。

私の住んでいる田舎でもこだわりの店でこすり付ける材料を一斗缶一杯貰って来ました。
本日試してみました。
本によると表皮に浮き出ると有りますが浮き出ているか良く解りませんでした。
たけの乾燥が足りなかったのでしょうか?
こすり付けてからどれ位してから拭きとれば良いか?
お手数ですがアドバイス頂ければ助かります。

投稿: 真野 | 2011/12/01 14:33

真野さん。コメントありがとうございます。
あまり、神経質にならなくてもいいと思います。私も適当にしかやってませんが、写真のようになりました。

本には、そのままこすりつけるとあったと思います。そのままこすりつけましたか?
私は水を混ぜてしめらせてからこすりつけました。結局の所、アルカリ成分で油を溶かすという理屈です。ですから水を混ぜても効果は同じだと私は思います。その方が、塗りつけやすいです。

もしくは竹をぬらしておいてこすりつけてもいいかも知れません。ある程度放置して乾く前にこすり取るように拭くと油分がういているのがわかります。その油分をこすり取るように磨いていきます。

投稿: 幸雲 | 2011/12/01 20:52

詳しく回答して頂きありがとうございます。
私は水に混ぜ金たわしでこすり付けそして暫く放置して水で洗い落としました。ご回答のようにこするように拭き取る方法でやります。
ご親切を感謝します。

投稿: 真野 | 2011/12/02 09:01

真野さん。コメントありがとうございます。
金たわしは竹表面を傷つけるのでこすりすぎないように注意してください。掲載した写真をみてもわかるように竹をいためてしまいます。表面や節周りの汚れを水洗い流して、柔らかいたわしかなにかでこすりつけ、布で磨くというのが良いかと思います。

投稿: 幸雲 | 2011/12/03 00:17

この記事によると、竹の油抜きは、竹の油脂成分をとる目的と記載されています。

私の解釈は異なります。
これは現場から採取した竹を、すぐ利用しないで3-4年寝かせてみると分かります。

私の場合、晒し竹は倉庫の屋根裏に2年以上寝かせ、それから品質をチェックします。
詳しくはNPO法人 やまと新発見の会 のHPをご覧ください。

投稿: 室野義隆 | 2012/02/25 08:43

室野義隆さん。コメントありがとうございます。
室野さんの解釈を拝見しようと、HPを拝見しましたが、どこに記載されているのかわかりませんでした。室野さんの解釈を知りたいので教えていただければ幸いです。

私の解釈では、竹の表面にコーティングされたようになっている油の成分をとり、天日に当てることにより竹の乾燥を即することにあると思います。(記事の写真は天日に当てる前のものです)

実際に青竹を生のまま3~4年放置するとその多くは、表皮はただれ枯れた状態になり加工に適さなくなります。しかし、表面を処理した物はなめらかな状態のままです。この違いは、生竹の表面の油成分が乾燥を阻害しているのが要因と考えています。

もちろん、油分を苛性ソーダで処理して十分天日干しを行い寝かした竹が良いのはわかっています。
私はプロではないので、手間を掛ける環境にはありません。そこで、完璧なものではなくとも、簡便に処理する方法を求めています。この記事はそれを求める過程のものです。少しでも良い物が作れるように、ご助言をいただけるとありがたく思います。

投稿: 幸雲 | 2012/02/25 09:46

私の考えでは、沸騰湯での竹に煮沸は、油脂成分の抽出と、竹繊維の煮沸による糖分の分解、竹繊維に存在する虫の卵の死滅化を目的とします。

特に糖分の除去が、虫食いに対する効果、つまり防腐効果に寄与すると思います。
竹繊維中の水分及び糖分は、竹の採取時期により異なります。

小さいサンプルの場合、大型の電子レンズに材をいれ、高周波加熱により、水分除去を行うことができます。
この場合、質量測定により、脱水率を計量できます。

最も手軽な方法は、処理を施した竹を2-3年,屋根裏に寝かすことですね。


投稿: 室野義隆 | 2012/02/27 19:03

室野さん。コメントありがとうございます。また、参考となる情報をありがとうございます。

油分の抽出と虫の卵の死滅については理解できます。これは、乾式の油抜きをした時にも言えることだと思います。残る「糖分の除去」ですが、乾式の油抜きでも除去出来ていると考えていいのでしょうか。

投稿: 幸雲 | 2012/02/27 22:48

私は植物学の専門家ではありませんが、
植物の茎は、導管と師菅と形成層から成り立ちます。
竹のような単子葉植物と、樹木のような双子葉植物では、その分布が異なります。
糖分といえば、デンプン、ブドウ糖があります。
植物の成長を支える養分は、分子サイズの小さいブドウ糖となって、各組織に運搬されます。
このため糖分が抜けるとすれば、竹の直径方向ではなく、軸方向に抜けると思います。
多数の細胞膜で移動するのは水分だけです。
これを細胞膜の半浸透性と言いましたね。
春先に若竹を根元で切断すると、泡をふきだしますね、これが養分です。

従って、糖分の除去は、短時間での火炎による加熱では不可能と思います。
つまり長時間の熱湯での加熱によって、ブドウ糖が師菅に沿って軸方向に抜けると考えた方がよいでしょう。

詳しくは森林研究所でお聞きください。
但し竹の専門家は少ないのです。
竹の有名な学者である内村博士もおられます。
私はこの人が書いた学術書を幾つか持っています。


投稿: 室野義隆 | 2012/02/29 21:30

私に定期的に案内される研究機関を紹介します。
下記の機関がその1つです。

森林関係の研究機関は、府県単位で存在し、奈良県の場合も南部にあります。
竹に関しては、富山の植物園を訪れてください。
 私の現役時代の専門は、地上波デジタル放送のフロントエンド処理部門でした。
 竹は単なる私の暇つぶしです。
自宅にも竹藪があり、手入れに手を焼いています。
近日、竹筬研究会に大量の竹を納品します。2トントラックで満載。
この場合、真竹の品質は厳しいものがあります。
勿論油抜きはあります。
以前は、竹ヒゴを使う編み物教室にも通いました。
しかし材料費が月謝以上かかり、経済的に負担が大きくなりました。

=======================================================
> 発行:独立行政法人 森林総合研究所
>    〒305-8687 茨城県つくば市松の里1
>     http://www.ffpri.affrc.go.jp/
> 編集:企画部 研究情報科

投稿: 室野義隆 | 2012/03/02 18:57

室野さん。たくさんの情報ありがとうございます。竹ヒゴを使う編み物教室ですか。私も同じような教室に通っています。そんなに多くはありませんから、私と室野さんはお会いしたことがあるかもしれませんね。

さて、私も内村先生が編者となった物をいくつか持っています。また油抜きについての記述のある本もいくつか持っていますので、再度目を通してみました。
竹の糖分については、虫の食害の原因とされています。一般に10月から11月頃に切った竹には虫が付きにくいとよく言われます。これは竹の糖分が蓄積するためです。このことは複数の本で言われていました。

手間をかけて処理される方法で詳しく述べられている資料があったので紹介します。
千家十職の黒田正玄氏が行っておられる方法です。詳しくは「黒田正玄家の竹工芸」展レポート」
http://kounsai.cocolog-nifty.com/bamboo_baskets/2008/11/post-52b6.html

竹の中の水分の流れは株元から先に流れるので、竹を切ってきて2ヶ月ほど干す間は竹の先端側を下にしておくと水がよく抜けるそうです。その後、炭火で油抜きをし2ヶ月ほど天日干し。そして4年ほど寝かしている間に「吟味」されるそうです。カビは拭き取り様子をみて、虫は殺虫剤で駆除し、使えないのは取り除き。そうするといつまでも使えるものが残ってくると言うことでした。ほとんど、室野さんの方法と同じですね。


「竹細工の絵本」内村悦三・近藤幸男編
http://kounsai.cocolog-nifty.com/bamboo_baskets/2006/09/post_ffd7.html
「竹の魅力と活用」内村悦三編
http://kounsai.cocolog-nifty.com/bamboo_baskets/2007/06/post_ce28.html
「図説竹工芸」佐藤 庄五郎著
http://kounsai.cocolog-nifty.com/bamboo_baskets/2006/09/post_5ca7.html

富山にも竹に詳しい植物園があるんですね。知りませんでした。
私は静岡にある富士竹類植物園に行ったことがあります。竹を堪能しました。http://kounsai.cocolog-nifty.com/bamboo_baskets/2005/09/post_86d5.html

投稿: 幸雲 | 2012/03/03 00:51

内村先生は確か、富山植物園の園長だったのです。
私は数回お会いしたことがあります。
それより以前は、大阪市立大学の付属植物園の学者でした。

私の思う竹の最大の特徴は、細い繊維の集合体であり、その屈曲特性が自然産物で最も優れていることでしょう。
現代技術でいう、炭素繊維(ウイスカー)です。


● 茶筅
● つりざお
● 高級カバン(バリ万国博覧会) や袋物

江戸時代から利用されている職人技術を勉強すべきです。

象嵌技術も世界に誇れる分野です。
ハスクブルグ家も御愛用したものがあります。


京都市内の寺町筋も、竹関係の店が多いです。
竹材店として、横山竹材店が有名です。
ここのオーナは、火炎にる竹の曲げ加工の名人です。
京都市工芸博物館?も素晴らしいところです。
平安神宮のそばです、竹工芸コーナもあります。京センスに代表されます。

扇子職人が、私の村に一人おられます。
デパートの職人工芸展にいつも出向いておられます。
但し骨より、紙の貼り付けです。

投稿: 室野義隆 | 2012/03/04 08:44

室野さん。コメントありがとうございます。
平安神宮のそばの「京都市工芸博物館」とおしゃっているのは、京都勧業会館(みやこめっせ)の中にある「京都伝統ふれあい館のことではないでしょうか。
そういうのがあるという事は知っていましたが、まだ見に行ったことはありません。
http://www.miyakomesse.jp/fureaika/index.html

横山竹材店には、何度か黒竹を買いに行ったことがあります。横山竹材店や茶筅については、次の記事に書きましたのでご覧ください。
美の壺「竹」
http://kounsai.cocolog-nifty.com/bamboo_baskets/2009/09/post-6d6f.html

投稿: 幸雲 | 2012/03/05 00:07

このような会話をしていると、互いの行動範囲が同じであることが分かってきました。
共通のテーマで、今後仲良しになりましょう。

投稿: 室野義隆 | 2012/03/05 17:14

室野さん。コメントありがとうございます。
情報交換ができたらよいですね。

投稿: 幸雲 | 2012/03/08 01:33

先日、東京の台東区で栄えた江戸伝統技術を、屋台で見学してきました。この屋台は浅草寺の境内にありました。
簾を中心とする竹工芸のお店があり、職人の丁寧な仕事ぶりを拝見しました。
ヒゴの曲げ加工に、独特の冶具を使っておられます。この冶具は曲率半径の異なる筒が多段に接続され、その内部に電気ヒータが入っているものです。
ここでは油抜きをせず、天日干しの処理だけで、製品を作っておられます。このため竹の淡い緑のある簾が出来上がります。
例えば、水引き等の飾りものは見事ですね。
台東区の伝統技術を紹介するユーチュープも沢山公開されています。

投稿: 室野義隆 | 2012/03/18 07:44

室野さん。コメントありがとうございます。
青物師の方でしょうか。以前、青竹で籠を編まれる方に竹の処理方法を教えてもらいました。
http://kounsai.cocolog-nifty.com/bamboo_baskets/2008/01/post_a366.html#comment-17115511

表面の油の層を取り除く処理をされるそうです。
この処理をするだけでも年を経る毎に飴色に変化してきます。

また、円筒のヒゴを曲げる道具は籠の先生の所にもありました。職人さんなど大量に物を作られる場合によく使用されるものだと思います。以前に千筋細工を習われている方もその道具を使うとおっしゃっていました。

投稿: 幸雲 | 2012/03/18 22:45

最近、竹筬研究会より、私の近くのお寺における竹林管理の要請がありました。これは良質の真竹を採取するには、竹の年齢管理を徹底し、しかるべき時期に採取するという方針に基づいているようです。

私は最近、竹の曲げ特性を利用した座椅子を4脚製作しました。
良ければ写真をお届けします。

室野義隆

投稿: 室野義隆 | 2012/11/03 21:28

室野さん。コメントありがとうございます。

そろそろ竹の採取の季節ですね。今の時期は竹の中の栄養分が少ないため、この時期の竹は虫がつきにくいと言われています。

竹の座椅子を作られたのですか。
室野さんが管理されているブログで紹介された時に記事と共に拝見したいと思います。楽しみにしています。

投稿: 幸雲 | 2012/11/04 09:29

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