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「殻のない種から」を見ました。

 堺市のギャラリー、主水書房(もんどしょぼう)で、ひっそりと開催されている展覧会「橋本雅也 殻のない種から」にいってきました。

 住宅街にある、ギャラリーの和室。庭から差し込む淡い光がさらに、障子で和らいだ薄暗い空間。そこにスポットライトで浮かび上がる白い花たち。
 スポットライトにより形作られる陰はまさに野にあるやわらな花。今にも風になびきそうなのだけれど、その実体は白く繊細な造形物。緻密に作り上げられた神秘的な花々は揺れることなく薄暗い光の中に浮かび上がる。それが動物_鹿の骨だと教えられて驚く。しかも、その花の作品群すべてが1頭の鹿の骨から作り出されている。

 この作品群には物語がある。命の物語。作者が猟でしとめた鹿。寒い山中を必死で追い求め得た鹿。肉を裂く時にその鹿が身重であったことに気づく。食べるための猟とはいえ次の命をも奪いとった罪悪感。沢を染める血。肉の暖かみ。作者に命についてのインスピレーションが生まれる。白い花々のイメージ。作者はその鹿の骨で永遠に咲続ける白い花を生み出した。鎮魂と命の再生の願いを込めて。

物語を知ると、作品自体がさらにイメージの中で多次元に浮かび上がる。そこに存在しないもの。いや、過去には存在したが今は、その一部のみがそこにある。それが命といえばそうなのかもしれない。心が共鳴した時に見える何か。この作品は見る者に、その共鳴を引き起こす。

作者が鹿を前に最初に浮かんだ花のイメージ。それは水の中に浮かんだ作品で表現されているということでした。 いい展覧会を見せていただきました。(作品についてのエピソードについては、トークイベントに参加された方から教えていただきました。)

会期:2011年2月5日(土曜日)~3月13日(日曜日)期間中は土日祝のみの営業。
会場:主水書房
〒590-0041 大阪府堺市堺区陵西通2-15

主水書房ホームページ
「橋本雅也 殻のない種から」(主水書房ホームページ)

展覧会をレポートされている方のページ

アートのある暮らし allier style


 

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