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田辺小竹の世界~竹工芸の伝統と現在アート展

Take111030_3 堺市の文化財を紹介する「文化財特別公開」という事業の一貫として、庄屋の屋敷を保存、公開している「堺市立町家歴史館 山口家住宅」と「竹工芸家 田辺小竹の世界」というコラボレーションの展示が行われました。(2011.10.28~30)

私は実演が行われる30日に見学してきました。(写真は前日お茶会が開かれた竹の茶室の内側からの様子)

Take111030_1 会場に着いた時、ちょうど実演が始まったところでした。小竹さんが解説を行いお弟子さんが実演をされていました。
堺市で竹工芸がかつて盛んだった事などを話されていると、近くで聞いておられた方が「知らなかった」とつぶやいておられました。地元の方(たぶん)ご存じないというのは寂しい事だと思います。この機会に竹のファンが増えればいいなと思いました。

Take111030_2 さて、改めてすごいなと思った事を3点紹介します。

まず一つ目。
竹の幅や厚さを手の感覚だけでどんどん細く、薄くしていくという話のあと、サンプルとして回して頂いたヒゴは、幅0.6mm 厚さ0.3mmというものでした。数字はうろ覚えなのですが、何しろ細くて薄いヒゴでした。そして丁寧に面取りをされているのでしょう。とても手触りがよく、なめらかで優しく、そして均等にカーブをします。それだけでも芸術的でした。(右の写真の右端にそのヒゴの束が映っています。)

そして二つ目。
説明の中でサンプルとしても見せて頂いた、飛ぶ鳥をデザインした網代編み。染色していない少し幅のあるヒゴと茶色に染色した細い細いヒゴの網代編みなのですが、まさに鳥が羽ばたいている姿が連続して浮かび上がっているのです。ものすごく美しい文様でした。ヒゴをすくう本数を変えているだけで一本一本を見れば縦のヒゴを横のヒゴが規則正しくすくっているだけなのに全体でみれば、そんな文様が浮かび上がっているのです。すごく緻密な計算があるに違いありません。写真を撮りたかったのですが、何か”企業秘密”のようなものがあるように感じ遠慮いたしました。

さらに三つ目。
これまで、画廊で行われる個展で多くの作品や、花を生けた様子を拝見してきました。
しかし、今回、古民家という、少し薄暗く、木、土など自然素材で出来た部屋の中に配置された作品は、明るい照明の下で見る時とは違う雰囲気を醸し出していました。

それは、人工的な空間で見る作品は、”物体”そのものでしかないということを感じたのです。つまり、今回見た和の空間にある作品はそれが現代アートのオブジェであっても、空間と調和し、とけ込んでいました。それは一見、作品としての主張が弱まったようでもあります。しかし、空間にとけ込んだ作品は薄暗い空間の中で単なる”物体”ではなく、どこかなまめかしく、”生き物”のように感じました。そして見ている私に雄弁に語りかけてくるのです。まさに生命を吹き込まれたそんな感覚にとらわれました。それは自然素材同士の共鳴なのかもしれません。

とてもいい展覧会だったと思います。見学を終えて小竹さんにご挨拶をと思ったのですが、外国からの団体のお客さんに向けて臨時の実演されていました。海外の方だけではなく、国内のファンがもっと増えたらいいのにと思いました。

2011/11/2追記

この展覧会を写真で紹介しておられる方がおられましたのでリンクしておきます。


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