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「現代の名工 廣島一夫の手仕事」展レポート

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近江八幡市で開催中の廣島一夫の手仕事展に行ってきました。

会場は近江八幡の町並み保全地区の一角にある、古民家を改修した、美術館NO-MAでした。この美術館自体がとても落ち着いたいい雰囲気でした。小さな門をくぐると小さな庭があり竹籠が展示されていました。古い建物と竹籠がとてもいい具合に調和していました。

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廣島さんの作る竹籠は、工芸品ではなく、今ではほとんど竹製品としては見かけなくなった、生活の道具である民具です。青竹から作るとことから「青物」と呼ばれています。

九州には、集落の得意先を回り、泊まり込みで注文に応じて籠を作ったり修理したりする職人さんがいました。足が悪い人などが生きていくための職としてこの仕事につく人が多くおられたそうです。15歳で弟子入りされた廣島さんもそんな職人さんの一人です。

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落ち着いた展示室に並べられた籠たちは、本当に美しく、私には工芸品のように見えます。でも、これらは、鑑賞のために作られたものではなく、川や海、野や山で使われてきたもものです。それは美しさではなく道具としての機能を評価される籠たちです。

しかし、そこには機能だけではなく美しさが同居しています。それは職人が意識して作り上げたものではなく、機能を追求する中で造形された美しさなのだと思います。

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子供の頃に実際に家で使っていた籠に似たものも展示してありました。昔はどこにでもあった竹の道具です。
今の生活の中で竹の道具は限定されています。でも以前はこんなに美しいものを道具として日常的に使っていたのです。当時は美しいとは思われてはいなかったでしょうが、失った今それはとても贅沢なことであったと思います。

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私は、好きな籠の形は、漁具です。中でも魚籠の形に惹かれます。でも、今回展示された籠の中で一番心が惹かれたのは、いりこ籠。何ともいえない、いい曲線をしています。
本当に美しいと思います。

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「いつも竹のなりたい形を考えている。
  俺の気持ちで・・・・ じゃいかん。
 竹の気持ちでやらんと」

極めた、職人さんの言葉には哲学を感じます。


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コメント

ご訪問、どうもありがとうございました。
私自身は前半の実演担当を終え、昨日水俣に戻ってきました。

廣島さん曰く、いりこカゴ、飯カゴ、魚籠のシタミ。この三つが一番作るのが難しいとのことです。
幸雲さんのおっしゃるとおり、いりこカゴの曲線は本当に美しいですね。

お会いできて嬉しかったです。ありがとうございました。

投稿: 水俣のかごや | 2012/08/07 21:07

水俣のかごやさん。コメントありがとうございます。
私も、お会いできて嬉しかったです。もう少し話せたらよかったのですが、いろんな人と話をして慌ただしくなってしまいました。

いりこ籠は本当に美しいと思いました。やはり、美しいと思う物は、難しい籠でもあるのですね。見事な籠達でした。

今にしてみれば、こんな素敵な籠を日常で使っておられたとは、なんと贅沢なことでしょうか。いや、もしかしたら、九州にはまだ使っておられる地域があるのかもしれませんね。そういう文化が続くことを願ってやみません。

投稿: 幸雲 | 2012/08/09 01:08

廣島さんの展覧会のパンフを水俣のかごやさんにいただいて10人の方に配りました。
そのうち、会場でお会いしたり、「展覧会に行ったよ」という連絡をいただいたのが4人。皆さんに喜んでいただいて、私も案内してよかったなと思いました。

投稿: 幸雲 | 2012/08/15 23:16

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