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「竹工芸の魅力」展のレポート

Tenran20130202  東大阪市民美術センター(花園ラグビー場の前)で開催されている大分県立芸術会館所蔵「竹工芸の魅力展」に行ってきました。

 竹工芸のコレクションでは屈指の大分芸術文化会館が所蔵の工芸作品の展覧会です。初代早川尚古齋、初代田邊竹雲齋、飯塚琅かん齋、生野祥雲齋に中心に約50展の作品が展示されていました。昨年秋に大分県立芸術会館で開催された「竹工芸の継承・革新」展で展示されていた作品も多くありました。

 当日は、大分芸術文化会館の学芸課長の友永尚子氏のギャラリートークがありました。これだけの作品のまとまった展示はなかなかありません。そして、解説を聞きながら巡ることができたのは、とても幸運でした。

 解説の中で、一つ学んだことは、別府の竹細工は日本の竹工芸の中でも後発だということ。元々、竹製品は作られていたのですが、明治時代に別府の産業振興のため、竹工芸を推進しようとして学校が作られました。温泉客の土産となるものを目指したとのことでした。そこで、学校に先生として招いたのは、有馬など竹工芸の先進地であった関西の竹工芸の職人さん、工芸家さんだったそうです。

 やがて、生野祥雲齋が別府に登場します。後に竹工芸で最初に人間国宝となった人です。当時の別府では竹工芸をしていれば食いっぱぐれることはなかったといいます。類い希な力を発揮します。今回の展覧会でも展示されている初期の唐物などは、とても細かい細工がなされています。しかし、当時、高名な作家に「竹が生きていない」と酷評されたそうです。そこで、試行錯誤のうえ、生まれたのが編むのではない竹ヒゴの曲線を生かした、流れのある作品群。そこに至る過程で、飯塚琅かん齋や早川尚古齋、田邊竹雲齋の作品を研究した節があるという話もされていました。晩年は体をこわされたため、大きな作品はなく、宗全籠のような花籠が残されているとのことでした。。

 別の会場では、竹の若い作家さんが、作品づくりの実演をされていました。
会期中、週末には別府から作家さんを招いて実演が行われるそうです。

 友永氏の解説によると、現在では以前のような大振りの籠の需要が減り、クラフトのような作品が主流となっているという話でした。でないと、売れなくて生活が成り立たないというのです。

 竹は、材料づくりから籠の完成まですべて一人の手でこなさなければなりません。産業としては効率の悪い部類にはいります。しかし、最近竹工芸の世界に入る人たちは、他業種の経験者が多く、一人の手で最後まで作り上げることに魅力を感じて竹の世界に入ってこられるそうです。価値観も変わってきているという話もされていました。

 私は、竹製品がもっと注目され生活に取り入れられるようになるにはどうしたらいいのかなといつも思ってしまいます。

 会場では若い女性の作家さんがフタつきの四角い箱をつくられていました。竹は編むものと思っていましたが、編むのではなく組んでいくのだとおっしゃっていました。そういうジャンルがあるのだということを知りました。

 ギャラリートークの後、もう一度、作品を見に戻りました。会場は貸し切り状態でした。すばらしい作品たちを堪能しました。

 販売されていた図録は、大分での「竹工芸の継承・革新」展のものでした。この図録には今回展示されていないものも収録されているのでお得です。

 ギャラリートークの機会を逃された方は、友永氏が解説をされている映像がありますので、そちらをご覧になってから足を運ばれてもいいかもしれません。

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