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訃報

京都の大蔵流狂言の茂山千作さんが亡くなったと、今日(5/23)の夕刊が報じていました。
とても悲しいことです。私は狂言が好きで、一時、茂山狂言のファンクラブに入っていました。

遷都のおり、天皇や貴族の人々と共に狂言師も多くが東京に行きました。それが今、野村家などの東京の大蔵流です。でも茂山家は京都に残りました。戦後廃れかけた京都の狂言を細々と守りつつ復興したのが千作さんと千之丞さんの兄弟でした。よばれたらどこへでも行って上演していたため、その様子は、京都ではおかずに困ったらとりあえず「豆腐」でも食べとこかと言ったことから、「茂山狂言は豆腐みたいなもの」と陰口をたたかれていたそうです。それを逆手にとって、「お豆腐狂言」を名乗り、復興にご尽力されました。

学校へ出向いての狂言にも取り組まれました。私が中学生の時に学校でお二人の狂言を見ました。確か、附子だったと思います。

よく通る声で知的な千之丞さんと、どことなくとぼけた雰囲気の千作さんはとてもいいコンビでした。千之丞さんに続いて千作さんも亡くなられて悲しい限りです。

千作さんの凄いのは、舞台にいるだけで笑いを取るというものです。根っからの狂言師でした。舞台に登場するだけで会場からクスクスという笑いが起こるのです。もちろん私も笑ってしまいます。本当に素晴らしい芸だったと思います。「福の神」で福の神を演じられる千作さんはまさに「福の神」でした。もう、見られないのかと思うととても寂しいです。

ご冥福をお祈りします。

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コメント

京都に長くいたのに、若かったせいかそれほど興味を持たず、
一度も狂言を生で見たことがなかったのは、今思えば
とても残念なことです。
またいつか機会があれば、と思っていますが、
茂山千作さんの舞台を見ることはもうできませんね。
一度見てみたかったです。
新聞記事に、「地上に舞い降りた〝福の神〟が、
朗らかな笑いを振りまいて、天に戻っていった」と
ありましたが、まさにそのような方だったのでしょう。
ご冥福をお祈りいたします。

投稿: hanano | 2013/05/26 10:29

hananoさん。コメントありがとうございます。

千作さんは、本当に素晴らしい狂言師でした。存在自体がもう演技なのです。笑われるではなく笑いを誘うのです。おかしな格好であったりギャグをいうわけではないのです。黙って、狂言の型どおりに登場しただけで笑えてくるのです。
あの、名演は見られなくても、千作さんが復興させた茂山狂言を機会があれば、ぜひご覧ください。

投稿: 幸雲 | 2013/06/03 01:15

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