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夢枕

今朝、微睡みの中で夢を見ました。

長い紐でつないだ愛犬の相手をしています。愛犬は喜んではしゃぎ、私の手に鼻を近づけ匂いを嗅ぎ、鼻息がかかり時折湿った鼻先が私の手のひらに当たりました。

私は頭や背中を撫でると、少し埃っぽくてつややかななめらかな感触がしました。愛犬は喜んで傍らの紫陽花の植え込みをかき分けるように進み、建物の角を回ったのですが、紐の長さがいっぱいになったので、また戻って来ました。

私は妻に「前は紐を解いて自由に離してやったのに、最近は離してやらなくなったのはなんでかな」と話しかけ「そうだ、逃げ出してから紐を解くのをやめたのだ」ということを思い出しました。

そして、久しぶりに離してやってもいいかなと思うのです。力が有り余ってはしゃいでいる犬をみて「あれ?そういえば、最近散歩も全然行っていないではないか」思い、なぜ行っていないのかを考えました。そして、気づくのです。

「そうだ。愛犬は死んでしまって、今はいないのだ」

「3月の別れ」 (過去の記事)

そこで私は目が覚めました。
手には懐かしい、やわらかくひんやりとした愛犬の鼻の感触と、埃っぽい毛並みの感触が残っていました。

手に残る感触、耳に残る声、目に残る仕草。今、一緒にいたのと同じ感覚でした。
とてもリアルな夢だったのです。愛犬がいないということが一瞬理解できないくらいでした。

目が覚めてから妻にこの話をしていたら、もしかしたら、呼びに来たのかもしれない。そんなふうに思いました。愛犬は春分の日の未明に旅だったのです。
そういえば、愛犬が死んだ日。明け方に、傍らに愛犬が来た感覚で目が覚めました。あの時は別れを言いに来たのだと思いました。もしかしたら、今回は私を呼びに来たのかもしれないと思いました。昨日は命日だということも忘れていたのですから。

そこで、妻と小さな花と線香をもって、山にある愛犬の墓にいきました。
すると、なんということでしょう。愛犬の墓の盛土は無残なまでにかき回されていました。筍を探してイノシシがかき回してしまったようでした。墓の傍らに筍の皮が転がっていました。
皮の状況から、そんなに前のことではありませんでした。

土を寄せて盛土をし、転がっていた目印の石をその上に置きなおしました。
そして、線香をたき、花を供えて手を合しました。

イノシシが墓を荒らしたことがよっぽど嫌だったので、私を呼びに来たのかなと思い、どことなく自分勝手で、とぼけた愛犬の性格を思い出し、墓の前で妻と笑ってしまいました。
なぜか、愛犬が一緒にいるような不思議な感覚がありました。

 「亡き犬が夢に立ちたる命日の 手に残りたる鼻の冷たさ」幸雲

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