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竹を切る時期と油抜きについての推測

Take20160326

竹を切る時期については、秋から冬にかけての時期がよいとされています。それは、竹の中の水分や糖分が少ないため、この時期に切った竹には虫がつきにくいというのが、科学的な理由らしいです。でも、私はもっと時期的なものがあるのではないかという気もします。

以下に述べることは、本などの知識ではなく、私の経験上の推測です。なんの裏付けはありません。念のため…

実際に作業をしていて私が感じるのは、温度とか湿度という作業環境にあるのではないかと思います。もっと簡単に言うと、かびにくい季節だということだと思うのです。

油抜きの作業というのは、熱やアルカリなどにより、表面の脂分を取り去り、天日に干すことにより水分を飛ばし青竹から白竹に変化させます。

この作業は、基本的に冬の間に行われます。秋から冬に切り出し、2か月ほど陰干しして、水分を減らしてから油抜きをし、天日干しをします。つまり、冬の間が油抜きの時期になるのです。

しかし、私はプロではないので、ガスコンロで火であぶって処理しますので本数をこなせません。そこで、結局、切ってきて青竹のまま置いてあるものを暇なときに少しずつ処理することになります。

いつも、春先までに終わらず、梅雨直前に油抜きをすることもあるのです。そうなると梅雨になって天日で干そうにも、雨の日が多くなりうまく抜けないこともあります。
さらに、湿度が上がると、油抜きが終わる前に竹の内側がかびだらけになってしまいます。

つまり、油抜きの大敵はカビが発生する条件となる温度と湿度なのです。
ですから、温度と湿度が高くなる前に油抜きの作業は完了して、湿気のないところに保管しておく必要があると思うのです。そうなると、そこから逆算してもやはり、竹を切る時期は秋から冬に切る必要があるのではないかと思うのです。

以 前、青竹で農作業用の籠を編む農家の人が竹を切る時期について話しておられたのをテレビで見たことがあります。その人は竹を切る時期は8月とおっしゃって いました。科学的に言えば温度が上がり糖分が蓄積しかびや虫の被害にあいやすいということも言えますが、おそらく農作業の都合ということがあるのではない かと私は思いました。

また、茶杓などを作っておられる方の工程を紹介するビデオを見たときも、油抜きをして乾燥させた竹の中から、かびた ものや虫がついたものを廃棄したり、カビを拭き取ったりしながら厳選しつつ数年間乾燥させ、最終的に残ったものから作品を作ると紹介されていました。そう したものはかびることがないということのようです。単に切る時期が良ければ虫がつかないという単純なものではないということです。

そして、カビや虫がつきやすい場所を観察していると、たいていは竹の内側つまり身側から発生します。竹の内側が表に出ている切り口からカビがついてきます。一部の虫に外から侵入したと思われる穴があったことがありますが、皮側から被害にあうことはほとんどありません。
これは、竹の内側が柔らかくまた、栄養が蓄積されているためではないかと私は思っています。

以上のことから、私の結論は、よっぽど長期間保存する必要のある工芸品などを除いては、そんなに切る時期を気にする必要はないのではないかと思います。もちろんカビが発生しやすい時期を除いてという条件付きですが。

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コメント

私も以前から同様のことを考えていました。
虫害に関しても竹の状態よりは虫の活動が活発な春夏に切って保管した方が虫害に会いやすいという直接的な話が大きいと思っています。

投稿: k | 2016/08/17 18:29

kさん。コメントありがとうございます。
kさんも、同じ考えなんですね。虫については油抜きをして乾燥させたものに、小さな甲虫のような虫がついたことがあります。ですから、夏は生だけではなく、油抜きをして保管してある竹も油断できないなと思っています。
冬に切った竹を青竹のまま保管しておくと、おそらく竹にわくカミキリ虫(赤くて小さいやつカミキリムシ)の幼虫と思われる芋虫が身竹部分を食害することが多くありました。この幼虫の場合は内側から外側へ食害するようで、食害の位置によっては皮の部分を利用することができました。

投稿: 幸雲 | 2016/08/17 22:58

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