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竹の構造とカビの科学的?な工芸的考察

Take20161002

以前、青竹に蟻がつくという話をしましたが、その竹をそのまま放置しておくと、台風の前後の蒸し暑い時に一気にカビてしまいました。

しかし、その竹をよく観察すると、やはり表皮から2mmくらいまではあまりカビがついていないのです。(写真では左側が皮側、右が竹の内側)

カビが好む条件等いうのは、温度、湿度、養分です。
つまり、湿度が高くなる、梅雨や湿度が高い気候はカビが好む条件ですが、その中でも、竹の内側つまり、身竹の部分に多く養分があり、そして、ヒゴを作る部分である表皮から少し内側の部分は養分が少ないのだと思います。

竹は繊維の束です。この構造が竹の柔軟性や強度に影響しているのだと思います。この構造がカビ具合と何か関係があるのでしょうか。

まず、竹の繊維の特徴を次のサイトで見てみましょう

Bamboo Home Page 

竹の細胞には、他の植物同様、師管、道管、そしてそれらを取り囲む維管束鞘。それ以外の柔細胞で構成されています。

繊維は栄養分を通す管の束です。もっと詳しい研究結果がないかと探してみるとありました。このサイトに竹の断面写真が掲載されています。

竹資源高度研究室-津山工業高等専門学校
成竹の寸法的特徴

維管束とは水を運ぶ道管と栄養を運ぶ師管の束です。このレポートから「維管束密度が表皮側には密に、そして内側へ向かうにつれて粗になっていることがわかる」「また、その形状は半径方向へ長い楕円から、円形へと変化しています。」とあり、このことと竹の強度についての研究を今後の課題としています。

ちなみに、筑波大学の木質材料工学研究室のサイトに、竹のしなしなやかさについての研究が紹介されていました。こちらもやはり、竹の表皮近くの繊維がしなやかさを担っているという事が書かれています。このサイトには竹の顕微鏡写真が掲載されていました。

木質材料工学研究室-竹のしなやかさ

しなやかさについては、竹ひごを作る経験から、実感として有ります。肉眼で見た時も表皮付近には繊維が明らかに固まって見えます。そして、表皮部分は内側部分に比べてとても柔軟性があるのです。私がヒゴを作るときの目安は、写真でいう維管束が密に集まった部分を剥がしとるという感じで行なっています。

さて、前置きが長くなりましたが、今回は強度についての考察ではなく、カビです。この断面写真と割った竹の断面に生じたカビの発生位置について比較した場合、カビがあまり生えていないのは、この維管束が集まっている表皮近くの部分です。

つまり、カビは、この維管束部分ではなく、それ以外の柔細胞を好むのです。おそらく、柔細胞の部分は柔らかく、養分の通り道である維管束よりも栄養が蓄積されているのではないかと思います。
しかし、表皮部分が全く黴びないという事はないため、もしかしたら柔らかいほうがカビにとっても居心地が良いという事もあるのかもしれません。


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