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廣島一夫さんの仕事」展

廣島さんの籠 息づく生活の籠

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古い話で恐縮ですが、昨年10月に東京の小さなギャラリーで開催されていた「廣島一夫さんの仕事」展に行ってきました。

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文京区、小石川植物園に近い住宅地にたたずむギャラリー「keian」で開催された、今回の展覧会では、美術館に所蔵の作品ではなく、個人所蔵の作品や、実際に道具として使っていた、もしくは現在も使われている作品たちを集めての展示でした。

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ですから、綺麗なものだけではなく、使い込まれて、あちこちが壊れている作品もあります。まさに生活の歴史を刻んだ道具立ちです。廣島さんの籠を代表とする青物と呼ばれる籠は、生活の籠として地域に根をはり、その地域で生活する人達の道具として生きていく籠なのだと思います。

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作り手と使い手が近くにいて使い込まれ、修理され、人とともに生きていく。そんな籠。作って、売って終わりではなく、竹職人の手を離れたから終わりではなく、籠としての”生命”を全うするまで付き合いが続くそういう関係自体が道具としての籠の本来の姿。

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展示された使い込まれた籠達に、作り手の思いと刻み込まれた使い手の時間。「籠」という実体にだけ注目するのではなく、どちらかが欠けても成り立たない竹籠職人と生活として道具と使い続ける人達との関係が今も息づいている日之影という地域自体が「作品」であるといっても過言ではないでしょうか。

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そういう部分も含めての籠を廣島さんや、その意志を継ぐ人たちも大切にされているのだと思います。
大都会の片隅で、東京ではすっかりと失ってしまった、人と道具の関係を今も息づく日之影の籠を通して感じるそんな展覧会だったと思いました。

(廣島さんの籠は美しい。水俣で活躍する井上さんの籠の縁巻の美しさには、いつものことながらほれぼれとします。)

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