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鳳尾竹花籃―雲龍―  竹雲斎襲名展

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展示会場の入り口外側の通路に面した広いスペースにも大きな作品が並んでいました。この広い空間で、この存在感。ここでは違和感のないこの作品を、もし、家に持ち帰ったら飾る場所や収納に悩むことになるだろうな。「飾る空間を考えて作品を作る」以前教えてもらったことを考えて会場を見ると、なかなか、奥が深いなと思いました。

さて、東京まで来た目的は私も一緒に採取に行った根。しかもレアな根を手に使ったという籠です。画廊前の広いスペースにある大きなガラスケースに見覚えのある根の姿がありました。

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黒く太めのヒゴで荒編みされた力強い籠に竹の根の手。「鳳尾竹花籃―雲龍―」と名付けられた籠は、初代のかごを彷彿とする荒編みの力強さを受け継ぎつつも四代のオブジェ作品にみられる現代的な流れるような美しさを兼ね備えていました。そして、新しい竹雲斎のこれからを象徴するなタイトル。インスタレーションも龍のようにも見え、今後の決意のようなものを感じます。

「雲龍」をテーマにした作品は、飯塚琅かん斎など高名な竹工芸家が節目に作った重要な作品として手がけているそうです。そこで、この襲名展に合わせそのテーマの籠を創り上げられたとのことでした。

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籠を鑑賞すると、手の部分を龍に籠の部分を雲に見立てているのでしょうか。籠の前方から見ると、その雲の上を今まさに龍が悠然と乗り越えてくるかのようです。

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しかし、角度を変えて、後方(根の株元)から見ると、表情が代わります。竹のヒゴを束ねた縁が籠の内側にうねるようにあります。これは、とぐろを巻いた龍が今まさに天に向かって飛ぼうとしている様子、いや、胴体をくねらせながら飛んでいる姿のようにも見えます。

いずれにしても躍動感のあるダイナミックで力強い作品です。写真では小さく見えますが、ひとかかえするほどの大きな籠です。落としには太い孟宗竹を使っています。そして、籠の竹の素材は鳳尾竹という希少な煤竹を使ったものでした。

後で先生に伺うと、襲名展に向けた作品のうちで、一番最後に力をそそいで作ったとのこと。 この作品は販売されず参考出品となっていました。4代竹雲斎の初期の代表作品として、当分手元に置いておかれるとのこと。とても光栄なことです。また、今後、展示されて見ることも可能という事です。

思えば、ロイド・コッツェン展で、田辺竹雲斎の名前を知り、作品の数々から竹工芸の深さに感銘をうけました。そして、今、様々な偶然と縁が積み重なり、私が少し関わった作品が竹雲斎の襲名展に作品となり展示されている。それも新しい時代の竹雲斎の記念すべき作品として。竹林で見つけたあの根は、ここにこうして作品になるために生まれてきたのではないかとも思えてきます。

私がこの作品を見るとき、竹の根が竹林に生まれた様子、掘り出したときの光景を必ず思い出します。個人的だけれど、背景に物語を持つ「雲龍」は、私にとっても、大切な作品となりました。

そう、「つながり~connection~」

これが、先生のおっしゃる、繋がりのテーマの本質なのでしょう。
エントランスのインスタレーションを思い、それぞれの「つながり」の流れが絡み合いながら作品が生まれる。そのうねりの中に私もいる。そんなイメージが心の中に湧き上がりました。

 

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